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尾形健明先生(バイオ化学工学分野)の最終講義を開講しました

2013/3/25

 平成25年3月8日(金)、今年度限りで定年退職される尾形健明先生(バイオ化学工学分野)の最終講演会「ESRに魅せられて40年 ―装置開発からウコギの研究まで―」が行われました。
 尾形先生は、昭和45年東北大学理学部を卒業、大学院に進学され昭和50年3月に理学研究科化学専攻博士課程を修了し、理学博士の学位を授与されました。同年山形大学の講師として奉職され、昭和53年に助教授、平成13年に教授に昇進し、今日に至るまでここ米沢で多数の学生の指導にあたられました。社会貢献として、本学工学部副工学部長や電子スピンサイエンス学会副会長,日本分析化学会東北支部の支部長などに就任され、教育と学問の発展に貢献されました。先生は、世界に先駆け、生体を生きたままの状態で測定することができる「L-バンド電子スピン共鳴(ESR)装置」の開発を行い、活性酸素が関与する生体内レドックス状態の変化を観測することに成功しました。さらに、食品中に存在する活性酸素消去能を示す成分や効能を明らかにする分析手法の確立を目指し、ご尽力なされました。これらの成果から科学的根拠に基づき活性酸素を消去する食材を探索した結果、上杉鷹山公が植栽を奨励した「ウコギ」の葉に、活性酸素を消去する高い能力があることを発見し、高機能健康食品の開発にこぎつけました。また、子供向け実験教室「モバイルキッズケミラボ」を始めとする、未就学児を含む幅広い年齢層の子供たちに対し科学の面白さを伝える様々な活動に、精力的に取り組まれました。
 最終講演会の当日は、うこぎの町米沢かき根の会やモバイルキッズケミラボ、共同研究者の関係者の皆様、本学部の学生・教職員をはじめ大勢の卒業生も集まりました。講演会では山形大学での思い出話なども交えつつ、生体計測用ESR装置の開発とウコギを主材料にした高機能健康食品の開発について、述べられました。最後には花束の贈呈が行われ、出席者は盛大な拍手で本学部の教育研究にご尽力された尾形先生に感謝の意を伝えました。講演会では百周年記念会館に会場を移し、尾形先生を囲んでの茶話会が開催されました。

講義風景

茶話会の風景

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