2020-2022 山形大学 テクニカルシーズ
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【1. 生体材料用セラミックス】【2. 環境材料用セラミックス】【3. 形態制御合成・薄膜材料】内 容 ゲルは様々な分野で利用されている優れた材料である。その多くは高分子であるが、最近、低分子有機ゲルが注目されている。低分子化合物は精密な分子設計が可能であり様々な機能性の導入が比較的容易である。 最近、当研究室では熱応答発光性低分子ゲルを開発した。この化合物は、ゾル状態ではほとんど発光しないが、ゲル形成に伴い著しい発光強度増大を示す。これは低分子の自己会合に伴う凝集が分子運動を抑制し発光強度および量子収率の増大を引き起こしたと考えられる。現在、発光部位の検討を進めている。 ある種の化学物質の添加(化学刺激)に伴いゾルーゲル相転移が起こる低分子ゲル化剤を開発した。左図ではフッ化物イオン/BF3・OEt2の添加による可逆的化学刺激応答性ゲルである。この他に、選択的な金属イオン応答性ゲルも開発している。 特定の物質のみを取り込みゲルを形成する化合物の開発を行っている。左図では、β-CD誘導体が特定の物質を取り込みゲル化する。このゲルは熱可逆的ゾルーゲル相転移を起こすため、温度に応答する形でβ-CDに取り込んだ物質の放出が可能である。また、その放出温度(Tgel)は導入する置換基により調整可能である。低分子有機ゲル化剤有機化学分 野専 門E-mail ・ itokazu@yz.yamagata-u.ac.jpTel ・ 0238-26-3097Fax ・ 0238-26-3413内 容内容:① 当研究室では、骨再生用メンブレンや、生体吸収性多孔質セラ ① 当研究室では、骨再生用メンブレンや、生体吸収性多孔 ミックスを開発し、その評価を動物実験を通じて行ってきました。質セラミックスを開発し、その評価を動物実験を通じて  その結果、骨再生に対する効果が極めて高く、将来的に有望な行ってきました。 材料であることを見出しました。さらに実用化に向けた性能向上  その結果、骨再生に対する効果が極めて高く、将来的に を図っていきます。有望な材料であることを見出しました。さらに実用化に向けた性能向上を図っていきます。② 当研究室では、米沢市に豊富に産出するゼオライトを、空気浄② 当研究室では、米沢市に豊富に産出するゼオライトを、 化機能を持つ建材として利用することを目的に、独自の硬化方法空気浄化機能を持つ建材として利用することを目的に、独 を見出しました。調湿性、VOC吸着性などの機能性建材の実用自の硬化方法を見出しました。調湿性、VOC吸着性など 化を目指して、プロセスの改良を続けています。の機能性建材の実用化を目指して、プロセスの改良を続けています。③ 種々の化学合成手法を組み合わせて、ナノポーラスな薄膜や、 ③ 種々の化学合成手法を組み合わせて、ナノポーラスな薄 中空球状粒子など、将来的な機能材料の発掘を行っています。膜や、中空球状粒子など、将来的な機能材料の発掘を行っています。アピールポイント: 私の強みは、①化学合成手法に強いこと、②粉末プロセスができアピールポイントること、③ガラス科学に明るいこと、④生体材料の動物実験評価 私の強みは、①化学合成手法に強いこと、②粉末プロセスチームを持っていることです。ができること、③ガラス科学に明るいこと、④生体材料の動物実験評価チームを持っていることです。分  野: 化学・バイオ工学分野専  門: セラミックス工学分 野E-mail : Unuma@yz.yamagata-u.ac.jp専 門Tel : 0238-26-3174 E-mail ・ Unuma@yz.yamagata-u.ac.jpFax : 0238-26-3413   Tel ・ 0238-26-3174HP : ceramics.yz.yamagata-u.ac.jpFax ・ 0238-26-3413HP ・ ceramics.yz.yamagata-u.ac.jp化学・バイオ工学分野セラミックス工学22機能性低分子有機ゲル化剤の開発キーワード[ 低分子有機ゲル化剤、刺激応答、物質輸送 ]機能性セラミックスの開発と合成キーワード[ セラミックス、生体材料、環境材料 ]教授 伊藤 和明教授 鵜沼 英郎

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