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2022年

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藤原翔助教らの研究グループが新化学技術推進協会のGSC賞奨励賞を受賞

2022/6/28

大学院理工学研究科の藤原翔助教(化学・バイオ工学専攻担当)と茨城大学大学院理工学研究科(工学野)の多田昌平助教の研究グループは、様々な化学製品の原料となるメタノールをCO2とH2から効率よく合成する材料の開発を行ってきました。その成果により、このたび、公益社団法人新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議の第21回(2021年度)GSC賞奨励賞を受賞しました。

化学製品の原料となる化石資源をCO2で代替する研究が、化石資源依存から脱却するために重要となっています(図左上)。研究グループでは、燃料や化学製品の原料となるメタノールを、H2とCO2から合成する材料の研究を行ってきました。本研究では新たな材料の合成法として、山形大学で研究している火炎噴霧熱分解法(図右)を利用しました。本手法を用いて、CuとZrを含む溶液(前駆体)を燃焼することで、CuとZrO2で構成される新規材料を開発しました。多田助教(茨城大)の協力により、材料の性能評価を行ったところ、メタノール合成速度が商用材料と同程度であるにもかかわらず、不要な副生成物(CO)を大幅に抑制することに成功しました(図左下)。

メタノール合成材料は多くの報告例がありますが,商用材料と遜色ない活性を示すものは稀であり,今後化石資源をCO2で代替することで、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されます。

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