山形大学工学部は,高分子・有機材料工学科,化学・バイオ工学科、情報・エレクトロニクス学科,機械システム工学科,建築・デザイン学科,システム創成工学科からなる1学年定員650人という大きな学部です。1910年,現在の地に,米澤藩の時代から盛んであった繊維産業のさらなる発展とそれを支える人材の育成を目的として地域の絶大な支援を得て官立米澤高等工業学校が設立されました。1949年,学制改変により同校は山形大学工学部となりましたが,当時の本館は国指定重要文化財として現在も同じ佇まいを残しています。 1915年 秦逸三教授が,産業界の支援を得て日本で初めて人造絹糸の生産技術を確立し製造所を設立したことに始まる創造のスピリットは今に受け継がれています。
現在では,工学は技術一辺倒ではなく,自然環境・持続可能社会そして多様な価値観と文化的背景に配慮したものでなければなりません。山形大学工学部では,座学における知識・論理的思考力の修得,実験・実習における行動力・実践力・協調性・コミュニケーション能力の修得,創成科目・卒業研究における応用力・問題解決力・倫理観等の醸成を経て,様々な分野で中核的な役割を果たせる広い視野を持った技術者を養成します。大学院では,さらに専門分野を深く学び,本格的な研究活動を通して高度な技術開発力・研究力を身に付けることができます。
米沢は,冬の積雪,春の一斉に開花する花々,暑い夏,美しき紅葉に彩られる秋と,日本の四季を鮮明に感じ取れるとともに,自然と調和した明るく豊かな持続可能社会の将来像を考えるのに絶好の立地と言えます。
高校生の皆さん,この地で,日本と世界の将来のために工学を学んでみませんか。 大学院へは,本学工学部の卒業生だけではなく,他の大学の学生の方々,既に産業界で活躍されている方々の入学を歓迎します。産業界との共同研究につきましても積極的に推進しておりますので遠慮なくお話をお寄せいただければと存じます。
理工学研究科長・工学部長
黒田充紀