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経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に2件採択

2012/5/8

 経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業(企業等の実証・評価設備等の整備事業)に、本学から2つの案件が採択されました。

  • 「リチウムイオン電池性能向上型機能性ハイブリッドセパレータの実証検証」
  • 「印刷製造プロセスを使った低コストRFIDタグの製造実証」

 この事業は、企業等による先端技術の実証・評価等のための設備等の整備に対して補助事業を行うことにより、国際競争力を有する技術力を保持・発展させると共に、地域の科学技術の発達及び経済の活性化を図ることを目的として実施するものです。
 平成23年度の公募で、本学からは下記2件が採択されました。今回の事業採択数は、本学の2件を含め51件です(応募206件中)。

「リチウムイオン電池性能向上型機能性ハイブリッドセパレータの実証検証」

申請者(単独申請) 山形大学
<施設名称 仮称> 山形大学 蓄電デバイス研究開発センター(※2013年夏開所予定)

 山形大学は蓄電デバイスを、有機EL、有機太陽電池、有機トランジスタと並ぶ有機エレクトロニクスの4本目の柱と位置付け、既存の国内蓄電池研究開発機関と連携し、我が国の蓄電デバイス研究開発・事業化・産業化に貢献することを推進します。「有機エレクトロニクス研究センター」、「有機エレクトロニクスイノベーションセンター」との相乗効果により、研究開発・事業化・産業化をさらに強力に推進します。
 本センターの建設予算は、今回の補助金を合わせ約10億円。建設予定地は米沢市内の企業集積地「米沢オフィスアルカディア」の用地(約4700平方㍍)で、同地は米沢市より無償貸与いただく予定です。また、同センターに隣接して、有機エレクトロニクスイノベーションセンターの建設も進めています(2013年春開所予定)。

山形大学 蓄電デバイス研究開発センターの特徴

 オープンイノベーションで、蓄電池材料、セパレータ、正極、負極、電解液等、複数の企業との連携で実証実験等を実施し、我が国としても重要な蓄電デバイス研究プロジェクトを先導し推進します。
 今回の計画では、本学の吉武秀哉教授が開発したハイブリッド型のセパレータを利用することにより、リチウム電池の性能が格段に上がる地域イノベーション戦略支援プログラム(文部科学省・山形県内9機関で推進)の研究開発成果をもとに、実際にセンター内にハイブリットセパレータの試作工場を設備し、ライン大量生産による低コスト化を実現し、新たなリチウム電池の産業化を目指します。産学官連携により県内企業への波及連携もは図っていきます。

「印刷製造プロセスを使った低コストRFIDタグの製造実証」

申請者(共同申請) 

サトーホールディングス株式会社
サトープリンティング株式会社
山形大学

 山形大学有機エレクトロニクス研究センターの有機トランジスタ部門(時任静士卓越研究教授・部門長)で進めてきた地域卓越研究者戦略的結集プログラム(科学技術振興機構(JST)山形大学・山形県で推進)の基礎研究の成果である有機半導体と印刷の技術と、サトーグループの印刷及びICタグに関する技術とを融合し、従来よりも格段に低コストのRFID製造技術を確立、事業化・産業化を強力に推進します。
 本プロジェクトは、ICタグからアンテナまでの生産の一連の流れを印刷方式で行うことにより、大幅な低コスト化を図る世界をリードするものです。設備整備費は今回の補助金を合わせ約1.2億。地域イノベーション戦略支援プログラムの枠組みで、産学官連携により県内企業への波及連携もはかっていきます。
 商品にICタグを導入することにより、商品の物流が変わるといわれています。生産した商品がどの店舗に入荷しているか、その商品が売れたかどうかなど、商品の流れをきめ細やかに追跡可能となります。また、ICタグは複製が難しく、商品偽装の防止などセキュリティの面でも大きな利点があります。

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