工学部概要

メッセージ
有機材料システム研究科長あいさつ

有機材料の研究者・技術者を目指す皆さんへ
世界最先端の有機材料研究および教育環境を提供します

有機材料システム研究科長 森 秀晴 教授

森秀晴 教授

 2016年4月に高分子・有機材料の大学院が独立し,我が国唯一の大学院「有機材料システム研究科」が設置され10年目を迎えました。従来の大学院理工学研究科から機能高分子工学専攻および有機デバイス工学専攻が独立し,国内外をけん引する有機材料,有機エレクトロニクス分野等の教育を充実させ,研究を推進してきました。

 御存知のように,高分子材料,機能性有機材料等の有機材料は現代社会を支える重要な材料の1つであります。その高性能化や新材料・新機能の開発が盛んに行われています。これまでの機能性材料に関する教育・研究に限らず,幅広い他分野との融合や境界領域における利用までをも考慮し,有機材料を最大限に活用した新たな付加価値を持つ有機材料システムの創成が期待されています。我々は,有機材料の基礎から応用に至る知識を単に修得するのみならず,それらを核として他分野との連携により拡張される,より広範な有機材料システム分野を教育・研究の対象としています。さらに,有機材料システム研究の中から「サステナブルエレクトロニクス」を核として,「地域と共創し,持続的な革新技術をもたらす研究大学~サステナブル社会の実現と南東北の地域創生に貢献~」とした本学の提案が,文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されました。特色ある研究を推進して,イノベーション創出とサステナビリティ実現のエンジンとなるべく,参画機関と連携して本事業の推進に貢献していきます。

 本研究科は,まずは1専攻,有機材料システム専攻からスタートしました。現在は、入学定員98人の博士前期課程と,同10人の博士後期課程で構成されています。前期課程では,21世紀の社会情勢と産業構造の変革に呼応して「自ら新分野を開拓する能力を育てる大学院」を目標にしています。工学教育をより一層充実させ,研究活動を活発化していきます。科学技術の高度化・国際化に対応できる教育研究機関として,更に広い視野に立ち,有機材料システム分野における研究能力と高度な専門性に支えられた卓越した能力を備えた人材を輩出したいと考えています。また,情報をグローバルに発信できる人材を育成することも目標としています。後期課程においては,有機材料システム分野における研究者として自立し,世界に通用する高度に専門的な研究・教育に従事するために必要な研究能力と,その基礎となる豊かな学識を養い,国際的視野に立って自ら研究リーダーとして技術・学術の発展を牽引し社会に貢献する人材を育成することを目標としています。

 本研究科の特色は,2011年以降本学に設置された有機材料システム関連の各研究センターと連携し,整備された世界トップレベルの研究環境の中で実践的教育を展開していきます。本研究科の多くの教員は,研究シーズの社会実装を目指した教育研究を展開しています。この結果,「有機材料システム」の下に集まり,統一した教育理念の下で学生教育を実践することが可能であります。博士課程教育に関しては,山形大学博士課程5年一貫教育プログラム「フレックス大学院」や「やまがた次世代共創イノベーション人材育成プログラム」(「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に参画)と連携し,国内外の企業・教育機関とのネットワークを活用したPBL・インターンシップ・留学を取り入れた実践的教育を展開しています。企業・海外ネットワークを活かした実践の場に学生を置き,達成度を見ながら自由度のある実践的教育をシステマチックに推進します。

 本研究科の中核をなす有機エレクトロ二クスを,この山形地域を中心に,有機に関わる人材の集積と産業の創出を目指します。本研究科と大学院理工学研究科が強みを活かしながら補完し合い,裾野の広い貢献を展開する予定です。世界最先端の教育研究拠点で,旺盛な好奇心を持ち意欲ある学生の育成を行って参ります。